
長年広告代理店のクリエイティブ部門に所属し、アイデアを考えることが仕事の一部だった。ただ、アイデアを考えるというのは楽しいプロセスだが、正直なかなか骨が折れる作業だ。何も思いつかないときはとても辛い。
企画というとらえどころのない作業を、もっとなんとかうまくできるようにならないか?というのは自分にとっての積年の願いでもあった。
自分の場合、一人でアイデアを考えているとどうしても袋小路に入り込んで詰まってしまう。だが、他人と壁打ち的にやっていると、その相手の返答から新しい気付きを与えてもらったり、自分が発言した内容自体から自分が着想を得たりすることもあったりした。
昔からデジタルを利用した表現のツールに興味があった自分だったが、このようなアイデアを考える作業に関しても何かしらツール開発できないかと考えた。
そこで、AIを使ってアイデアを考える作業に役立てそうなツールを開発しようと考え、修士課程のプロジェクトとして実際に取り組んでみた。
先行研究
AIとユーザーが協業してアイデアを考える事自体はそんなに新しい話ではない。
以前のブログエントリーでも、とりわけ当時の自分にとって興味深い事例について少しまとめていた。
数多くの先行事例があるが、その中でも最も自分が好きなのはRobin Sloanの”Writing with the Machine”というプロジェクトだ。
Sci−Fi小説の文字データを用いて、機械学習モデルの一種であるRNN(Recurrent Neural Network)を構築。そのモデルをテキストエディターと連携させ、ユーザーが文字をタイプしながらタブキーを押すと、そのRNNモデルが文章をオートコンプリートしてくれるという内容である。
RNNが、Sci-FI小説をベースに学習しているので、オートコンプリートされる文章が、「Sci-Fi小説っぽい」補完のされ方をされるのが興味深い。
私は、このプロジェクトを見て、前述したアイデアを探る上での他者との壁打ちに近いプロセスを感じた。アイデアを考える上でのインスピレーションをインタラクティブなプロセスでできないか?
そう考えて、自分なりにどんなことができるのか、プロジェクトとして探って見ることにした。
このプロジェクトで目指したもの
アイデアを考えるというプロセスは多種多様で、これといった決まったプロセスはない。しかし、ここでは「言葉」を起点にアイデアを考えるプロセスを中心に考えたい。
今回のプロジェクトでは、大まかな構成としてテキストエディターで文字をユーザーが入力し、複数の機会学習モデルがユーザーの入力に対する反応を提示。
このモデルからの「逆提案」を受けて、発想のプロセスを深めていく、というインタラクションを目指した。

海外留学でアメリカや海外に来ている留学生の中には学校が休みになる夏休みにインターンをする人も多いだろう。
私も2年間の大学院留学プログラムだったので、1年次と2年次の間の夏でインターンに参加した。当初考えていたこと、予想していたことと実際に実施したことには大きな違いがあり、自分自身にとっての振り返りも含めてインターンをした時のことを一つの体験談として書き残しておきたいと思う。
留学中にインターンをしよう!と考えている人の何かの役に立てば幸いだ。
もともとインターンをしたかった企業
大学院留学中における夏のインターンの位置付けは特別だ。最初から期限が決まっている雇用契約で、実際にそこでフルタイムで働くかどうかは時と場合による。
10年以上広告の世界でキャリアを積んできた自分としては、広告以外の分野にチャレンジし、かつ大学院で学んできたことを実践に移すとても良いチャンスだと考えていた。
どんな会社で、どんなインターンに参加すべきか。自分の当初の希望はデザインとテクノロジーの端境で、一見荒唐無稽と思われるような世界規模の課題にチャレンジしているような企業でインターンをしたいと思っていた。
また、せっかくなら日本にいるかぎりは働けないような、最先端の企業で働いてみたいという希望もあった。
こんな企業でインターンできたらさぞ面白いだろう。そして、きっと自分がそのうちのどこかの会社で働けるのであろう。フルタイムでもないインターンシップ、社会人経験も豊富。余裕だろう。
80ポジション受けて受からない
だが現実は厳しかった。というか、今思うと私がインターンシップ探しを舐めすぎていた。本当であれば入学した秋の時点で動き出すべきだったが、「学校にまだ慣れていない」というのを言い訳に秋学期は全く動かなかった。
聞くところによると、ビジネススクールの学生は秋から動いていたらしい。一方私は秋学期が終わり、翌年の1月から動き出した。
Googleを筆頭にテックカンパニーのUXデザイナーインターンのポジションにちょこちょこ応募してみるが、箸にも棒にもかからない。